箸の使い方は食事の美しさや作法に大きな影響を与えると言われています。枡野俊明氏は、正しい箸の持ち方や箸の置き方、箸の使い方のタブーなどを指導しています。箸を使う際は、料理を一口ずつ食べるごとに箸を置くことが大切であり、箸の使い方に注意を払うことで周囲の視線を集めないようにすることも大切だと述べています。枡野氏は禅の考え方を取り入れ、食事を丁寧に味わい、禅的な美しい食事を提唱しています。
食事の方法は人によって異なりますが、美しく食べるための重要なポイントの1つは箸の使い方です。箸を正しく使うかどうかによって、食事中の様子が全く異なることに気づきます。
曹洞宗の僧侶であり、庭園デザイナーとして国内外で高い評価を得ている枡野俊明(ますの・しゅんみょう)さんは、「箸をどう使うかによって、美しい食事の仕方や食事を共にしたくないと思われる食べ方にもなります」と語っています。
今回は枡野さんの著書『禅と食』(小学館文庫)から、正しい箸の使い方に関する3つの教えを紹介します。
■1:正しく持つ
右利きの場合、箸は右手で真ん中を水平に持ち、左手で支えながら右手の位置で握ります。上側の箸を人さし指と中指で挟み、親指で支えます。下側の箸は薬指に乗せ、動かすのは上側の箸だけです。
これが枡野さんが教える正しい箸の使い方です。
■2:箸はひと口ごとに置く
ひと口ごとに箸を置くことで、食事の所作が変わり、噛むことで素材の食感や風味を感じ、食べ過ぎを防ぐ効果があります。
■3:箸の使い方のタブーを心得ておく
箸の使い方に関するタブーを知ることは重要です。例えば、迷い箸、移り箸、ねぶり箸などが挙げられます。これらのタブーを守り、正しく美しく箸を使うことが大切です。
枡野俊明さんの著書『禅と食』から、箸の使い方が人生を豊かにする3つの心得をご紹介しました。是非、お箸の使い方を見直してみてください。
取材・文/印南敦史
【参考図書】
『禅と食 「生きる」を整える』(小学館文庫)
著/枡野俊明
一回一回の食事を大切にすることは、禅的な生き方に通じます。料理をつくる心構えから食事をする心と所作、シンプルな食習慣の秘訣まで、枡野俊明氏の教えが詰まった本です。是非、禅的な食生活を実践してみてください。
詳細はこちらをクリック