金融業界の人気が再燃している中、インフラ業界の人気は低下。就活サイト「ONE CAREER」が、東大・京大の学生を対象とした2025年卒就活人気ランキングを発表。コンサルティングファームが人気を集める一方、金融関連企業も上昇。金融業界の安定性やデジタル化の進展が支持されている。一方、インフラ企業はランクダウンし、キャリアの幅を持つ必要性からスキルを身につけやすい環境を求める傾向が見られる。この結果は、長期的なキャリアの観点からの選択に影響を与えそうだ。
金融業界の人気再燃、インフラ業界は転落
新しい年度が始まり、就活も始まりました。株式会社ワンキャリアが運営する就活サイト「ONE CAREER」は、「3月速報」を発表しました。以下にご紹介します。
「東大・京大就活人気ランキング」の背景と目的
ワンキャリアは2016年以降、毎年「東大・京大就活人気ランキング」を発表しています。このランキングは、東京大学・京都大学の学生にとって人気の企業のトレンドや変化を伝え、新卒採用のトレンドや学生の価値観を示すことを目的としています。
東大・京大2025年卒就活人気ランキング(3月速報)
ランキング順位(1位~10位)
ランキング順位(11位~20位)
ランキング順位(21位~30位)
ランキング順位(31位~40位)
ランキング順位(41位~50位)
25卒でも加速する「コンサル人気」
10位以内にランクインしている企業のうち、コンサルティングファームが6社。ここ数年続いているコンサル人気が、より一層加速していることが明らかになりました。
コンサルティングファームが東大生・京大生から高い支持を得ている理由としては、早いうちから成長機会を得て、ビジネスパーソンとして活躍するための素養を身につけやすいと認知されていることが考えられます。また総合コンサルを中心に採用が拡大し、数多くの先輩たちが就職していることもあり、東大生・京大生から注目を受けやすいということも背景にあるようです。
金融関連企業の人気が上昇
コンサル・商社以外に人気を集めているのが金融関連企業です。外資系投資銀行、メガバンクなどを中心に、ランクアップしている企業が数多くあります。
背景には、ファイナンスのプロになって専門性を身につけられるという期待感に加え、金融機関に対する「安定性」を評価する声もあるようです。ここ数年、国内において金融機関の破綻などのニュースがほとんどなく、安心して働けるというイメージが形成されていることが考えられます。
QRコード決済サービスや銀行アプリが今まで以上に生活に密着した存在になったことから、金融業界に目が向いているとも考えられます。金融サービスのデジタル化が進み、先進的なイメージも相まって、支持が集まっている可能性があります。
インフラ企業が軒並みランクダウン
コンサルティングファームや金融機関とは対照的に、軒並みランクダウンしたのがいわゆる「インフラ企業」です。公共交通機関や海運、電力など私たちの生活に欠かせないサービスを提供している企業の順位が、昨年より下がっている傾向にあります。
昨年の「東大・京大24卒就活人気ランキング」では、インフラでも運輸業の人気が再燃していることをお伝えしました。しかし、今年はコンサルティングファームや金融機関の人気の高まりに押されるような結果となっています。
この背景には、中長期的にキャリアの選択肢を幅広く持っておくためにも、「目にみえるスキルを身に付けたい」という考えがあるようです。コンサルティングファームを中心に、上位にランクインしている企業ではビジネスパーソンとして活躍するためのスキル・経験を身につけられ、成長できる環境にあると認知されています。上位にランクインしている企業に比べて、インフラ企業では身につけられるスキルなどが見えづらいという印象が、東大生・京大生にあるのかもしれません。
【調査概要】
・調査時期:2024年2月20日時点
・集計方法:就活サイト「ONE CAREER」における企業別のお気に入り登録数を元に作成
・調査機関:株式会社ワンキャリア
・調査対象:就活サイト「ONE CAREER」ユーザーのうち、東京大学・京都大学、または同大学院に在籍する2025年卒学生
・有効回答数:3,463人